雑魚/Marc Benno

KBK2007-10-11


自宅でインターネットをする場所は
リビングです。
22:30、いつもなら一人になれる時間帯
しかし今日は母が金八先生を見ていました。


見るつもりは無かったのですが、聞こえてくる金っぱっつぁんの熱い授業。
茨木のりこ『ぎらりと光るダイヤのような日』の詩がテーマでした。


 世界に別れを告げる日に
 ひとは一生をふりかえって
 じぶんが本当に生きた日が
 あまりにすくなかったことに驚くだろう

 指折り数えるほどしかない
 その日々の中の一つには
 恋人との最初の一瞥の
 するどい閃光などもまじっているだろう

 <本当に生きた日>は人によって
 たしかに違う
 ぎらりと光るダイヤのような日は
 銃殺の朝であったり
 アトリエの夜であったり
 果樹園の真昼であったり
 未明のスクラムであったりするのだ
 (一部抜粋)


易しい言葉の詩、でもその感想を書くのは難しいです・・・


話題を音楽に戻すと、普段洋楽は「安い」ので輸入盤を買うことが多いです。
音楽を聴く時に、歌詞に重きを置いていないからというのもあります。
しかし日本のレコード会社の努力で世界に先駆けて再発することもあるので
日本盤で買ったものももちろんあります。
ライナーや歌詞の対訳があったりすると、日本盤の良さを実感。
マーク・ベノの「雑魚」も、持っているのは日本盤。
その中の4曲目「スピーク・ユア・マインド」の歌詞は10代の私に
ぐっとくるものでした。


 僕たち愛し合ってはいたけど、何でも話してきただろうか
 自分を知っている人は負け知らず
 いつも幸運のコインがついてまわる
 僕たちに必要なのはただ一つ
 互いの心のうちを話してみよう
 (一部抜粋)


詩人の作品に比べたら言葉も内容も単刀直入なのですが
この曲のゆったりとしたムード、
あまり上手くないけどそこが味な優しいボーカル、
サビで静かに盛り上げるゴスペル的な女性コーラス、
スワンプ色濃いトロンとしたギター・・・
心の中にじわじわと熱いものが満ちてくるのです。
多分、歌詞を知らなくてもそういう気持ちになったと思うけど
知ることができてちょっとよかったな、と思うのです。