The Fifth Avenue Band/The Fifth Avenue Band

KBK2009-05-24


草食とか肉食とか
そういう形容詞を見かけますが
どうなんでしょう、
そう簡単に二極化できないし
誰しも両面持っているのでは・・・
などと、フィフス・アベニュー・バンド聴きながら思いめぐらす
日曜日の夕暮れ時。
急に降りだした雨が一瞬で去った後、
少し寒いくらいの風が部屋に吹き込むと
彼らの音楽と相まってなんとも素敵な気持ちになりました。


バンドでないと生まれないマジックがそこにあります。
メンバーは草食3:肉食3(?!)

勝手なイメージですがおおむね
ネオアコは草食・ソウルミュージックは肉食・
ロックは肉食寄り(でも演ってる人たちは草食っぽい)みたいな。
どうでもいいか★


さて、彼らのことを知ったのは10代の頃、
実は最初あんまりピンとこなかったんです。
どのガイド本でも名盤だ名盤だ!と書いてあるので、
すこぶる良いイメージがあり、期待しすぎてたのです。
あと、漠然となよっとしていて爽やかな音を想像してたら
男くさくてがっつりしたハーモニーと粘っこい演奏でびっくりしたんです。
そんな若かりし耳でも代名詞ともいえるフリーソウル(便利な言葉です)な
One Way Or The OtherやNice folksには最初から気持ちいいなぁ!と。
当時は学生でしたので、ピンとこなかった盤も何度も繰り返して聴き、
好きになる努力をしたので、他にもいいなぁと思える曲が増えていきました。
しかしCDとは便利なようで残酷、結局好きな曲を選んで飛ばし聴きに。
でも、今日聴いた時は全曲通して、どこも飛ばすことなく。
だって、素敵やねんもん!!・・・といまさら私が声を大にすることでは
無いのですが★


69年作、という事実に驚くばかり。音づくりや曲想の持つ「雰囲気」が
70年代を先取りしたかのよう。シティミュージックの原型、というか。
先に男くさいと形容したのですが、むさくるしいとかではありません。
力強くしなやかで、優しく温かい・・・(と書くと相当男前!)
私(というか女性ならきっと大概がそうだと思いますが)が憧れる
男同士のべたべたしていない「仲間」な雰囲気。
相手のことを知らなくても、音楽という共通項だけですぐ打ち溶け合える
心地の良い距離感・・・モノクロのジャケを眺めながら、1969年・NYの片隅の
若者たち(草食3:肉食3・・・しつこい★)に思いを馳せるのでした。