Memories Of A Color/Stina Nordenstam

KBK2009-02-11


久しぶりに聴きました。
2年ほど前、ブッK・オFで300円で買い戻した時は
自分が期待していた印象と微妙にずれていて
懐かしいけど、違った…そんな気がして1回聴いたきりでした。


今日は違いました。
出会った時の衝撃とも違ったけれど、純粋に心地よくて。
お昼に3回。そして今も聴いています。


スウェーデン出身のSSWの1991年のデビュー作。
意外かもですが、初めて聴いたのは布袋さんのFM番組で(!)。
一瞬で引き込まれてしまいました。
少女のような(というか実際15歳だったそうです)声。
ジャズとアヴァンギャルドが絶妙な配合でブレンドされたポップス。
ひんやりとした中にも生温かさを感じます。


当時は自分も10代だったので、漠然とした不安というか「思春期」な感覚に
ぴたっとはまったのでした。
聴く時はすっかりひとりぼっちになれる深夜の自室。
孤独・切なさ・痛み…でも、きれいだなぁと涙。
こんなの聴いてたら暗いのかなぁ…とか。
しかし聴き過ぎた1年後、卒業と同時に生活環境も変わって、どこか吹っ切れて
彼女の音楽を必要としなくなったのでした。


ある一定の期間、思い入れを持って聴いたものは今聴くとちょっと違う…
たいていそれは「気恥ずかしさ」や個人的な「懐かしさ」だったりするのですが
この作品に関しては2年前はそうだったけど、今はずっと聴いていくと
思っています、あの頃とは別の感覚で。
あの頃聴いていた音とはまた別の音が聴こえるようになったのかもしれないし、
あの頃聴いていた音が聴こえなくなったのかもしれないし。
寒い部屋で寒さにじっと耐えながら内側からじわじわ体温をあげるような
10代の聴こえ方が
温かい部屋で食べるアイスクリームの冷たさを堪能するような今の聴こえ方。
北国の少女がつくった音世界は、大人のためのBGM。